大絶滅展イメージビジュアル

展示構成

生命史の中で起きた
5回の大量絶滅に迫る!

科博初!「ビッグファイブ」から
生命進化の歴史を追体験

生命が誕生してから40億年、地球上では幾度もの生命の危機が訪れました。それは主に地球外からやってきた小天体の衝突や火山などの地球内部の活動によりもたらされましたが、ときに生命活動そのものが引き金になったこともあります。しかし生命は、その都度、したたかにそれらの危機を乗り越え、絶滅したグループに代わるグループが新たに繁栄することを繰り返すことで、多様に進化を遂げてきました。
言わば、大量絶滅は生命の繁栄を促した現象だと捉えることもできるのです。本展では、その中でも規模の大きかった5回の「大量絶滅」事変(通称「ビッグファイブ」)を、化石や岩石に残された様々な証拠から紐解き、「生き物たち」の生存をかけた進化の歴史を辿ります。
「ビッグファイブ」をテーマとする特別展は、国立科学博物館では初めてとなります。各種の古生物や火山、古気候・古海洋などを専門とする国立科学博物館の研究者10名による監修で、様々な角度から5回の大量絶滅の謎に迫ります。

episode1
O-S境界
海の環境の多様化
約4億4400万年前

海の生物に大きく影響した最初の大量絶滅事変です。
オルドビス紀化石の世界有数の産地があるモロッコの最新研究から、絶滅事変の詳細に迫ります。

アノマロカリス(レプリカ)
アノマロカリス(レプリカ)
カンブリア紀/ラディオドンタ類/国立科学博物館
復元画ⓒかわさきしゅんいち
エーギロカシス
エーギロカシス
オルドビス紀/ラディオドンタ類/国立科学博物館
オルドビス紀前期に生息していた巨大な節足動物に近い生物で、体長は2mに達し、櫛状の器官でプランクトンをこし取って食べていたと考えられています。
復元画ⓒかわさきしゅんいち
アクティラムス(レプリカ)
アクティラムス(レプリカ)
シルル紀/ウミサソリ類/国立科学博物館
古生代に生息していた節足動物で、最大で2mを超える種もいた、水中にすむ捕食者です。
episode2
F-F境界
陸上生態系の発展
約3億8000万年前~約3億6000万年前

火山活動に起因した寒冷化による複数回の絶滅事変です。
海ではダンクルオステウスなどの板皮類や多くの三葉虫が絶滅し、陸では巨大な森を中心とした生態系が始まりました。

ダンクルオステウス(レプリカ)
ダンクルオステウス(レプリカ)
デボン紀/板皮類/国立科学博物館
デボン紀後期に生息していた大型の板皮類。強力な顎がある頑丈な頭骨を持ち、当時の海洋で最強の捕食者の一つとされています。
最古の木の化石を日本初公開!
ワッティエザ
ワッティエザ
デボン紀/シダ類/ニューヨーク州立博物館
©Christopher Berry, William Stein, and Frank Mannolini
高さ8mにもなった最古の高木植物です。
※レプリカを展示(実物の化石は展示されません)
タリーモンスター
タリーモンスター
石炭紀/分類不明/豊橋市自然史博物館
復元画ⓒかわさきしゅんいち
約3億年前の海に生息していた謎多き古代生物で、細長い体と特徴的な吻(ふん)を持っています。
episode3
P-T境界
史上最大の絶滅
約2億5200万年前

シベリアで起こった大規模火山活動に起因した、古生代の終わりを告げる史上最大規模の絶滅です。
海陸で多くの生物が絶滅しましたが、恐竜や魚竜、私たち哺乳類に繋がる仲間が生き残りました。

ディメトロドン(レプリカ)
ディメトロドン(レプリカ)
ペルム紀/単弓類/国立科学博物館
約2億8000万年前に生息していた大型の捕食者で、背中の帆が特徴的です。恐竜ではなく、哺乳類に近い仲間です。
ウタツサウルス(レプリカ)
ウタツサウルス(レプリカ)
三畳紀/爬虫類/国立科学博物館
宮城県に分布する三畳紀前期約2億5000万年前の地層から発見された、世界最古級の魚鰭類です。陸上にいた祖先から水中での生活へと進出する初期の段階を示す重要な種です。
episode4
T-J境界
恐竜の時代への
大変革
約2億100万年前

大西洋をつくった超大陸パンゲアの分裂。この時の火山活動が原因とされる絶滅事件は、“爬虫類”の世界を大きく変え、恐竜が主役に躍り出るきっかけになりました。歴史的に有名な北米の化石産地の研究も紹介します。

大迫力の全身骨格を
2体並べて展示!
クリオロフォサウルス(レプリカ)
クリオロフォサウルス(レプリカ)
ジュラ紀/爬虫類(恐竜)/国立科学博物館
撮影:大橋智之
レドンダサウルス(レプリカ)
レドンダサウルス(レプリカ)
三畳紀/爬虫類/福井県立恐竜博物館
約2億500万年前の三畳紀後期に北アメリカ大陸に生息していた大型の肉食性爬虫類です。恐竜類ではなくフィトサウルス類と呼ばれる分類群に属し、体全体はワニ類に似ていました。
episode5
K-Pg境界
中生代の終焉
約6600万年前

小天体の衝突により恐竜など中生代型生物が絶滅しました。原因となった隕石や、この時代の変化が詳しく研究されている北米西部の化石を紹介します。恐竜絶滅後の哺乳類の変化に注目です。

ティラノサウルス(レプリカ)
ティラノサウルス(レプリカ)
白亜紀/爬虫類(恐竜)/国立科学博物館
白亜紀末期に北アメリカ大陸に生息していた大型の肉食性恐竜で、体長は最大約13mに達しました。強力な顎と鋭い歯で、他の恐竜の骨を噛み砕くことができたと考えられています。
トリケラトプス(レプリカ)
トリケラトプス(レプリカ)
白亜紀/爬虫類(恐竜)/国立科学博物館
アメリカのデンバー
自然科学博物館から
貴重な標本が多数来日!
ワナガノスクスの一種
ワナガノスクスの一種
古第三紀/ワニ類/デンバー自然科学博物館
©Denver Museum of Nature & Science
エクトコヌス
エクトコヌス
古第三紀/哺乳類/デンバー自然科学博物館
©Denver Museum of Nature & Science
マメ科の一種(さや)
マメ科の一種(さや)
古第三紀/被子植物/デンバー自然科学博物館
©Denver Museum of Nature & Science
エオコノドン
エオコノドン
古第三紀/ 哺乳類/ デンバー自然科学博物館
ⒸDenver Museum of Nature & Science
ロクソロフスの一種
ロクソロフスの一種
古第三紀/ 哺乳類/ デンバー自然科学博物館
ⒸDenver Museum of Nature & Science
episode6
新生代に起きた生物の多様化

大量絶滅のなかった新生代ですが、寒冷化や乾燥化など激しい気候変化が原因で生物の世界に大きな変化がありました。生き物の多様な世界がどうやって形づくられてきたか、化石で辿ります。

全長約6m!
全身の実物化石を世界初公開!!
ステラーダイカイギュウ
ステラーダイカイギュウ
更新世~1768年/ジュゴン科/国立科学博物館
復元画Ⓒかわさきしゅんいち
北太平洋に生息していた海藻食の大型哺乳類で、この化石は世界最古のものです。
メソヒップス(レプリカ)
メソヒップス(レプリカ)
漸新世/ウマ科/国立科学博物館
メリキップス(レプリカ)
メリキップス(レプリカ)
中新世/ウマ科/国立科学博物館
シフルヒップス(レプリカ)
シフルヒップス(レプリカ)
始新世/ウマ科/ロサンゼルス郡立自然史博物館
©Xiaoming Wang
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